「君の瞳に乾杯」
まさか、こんなこと言ってくれる人と出会ったことなんてない。
でも「すべては愛からはじまるんだよ」と捨て台詞のように言いながら、その場を去って行った人に会ったことはある。
その言葉はなぜかずっと心に残っていて、たまに「おーい!」って顔を出す。
「すべては愛からはじまるんだよ」
私は五臓六腑に染み渡るほど、この言葉の意味をわかりたいのだけど、未だにわかりきれていない。それが少し辛い。まだまだと思う。
というか、本当はわかるはずなのに、わかることを止めている気がする。たぶん、周りと上手くやれなくなると思ってるから。「そんなこと言ってないでさ、上手くやろうよ」みたいな。
電車の窓から見える吉野家も、この季節になくてはならないエアコンも、想い出を残こすカメラも。すべては誰かの愛からはじまったはず。
そこを見逃さなければ、ちゃんと書けるのに。ちゃんと作りたいし、自分だってガンガンやりたいのにさ。ブレてしまう自分はまだまだ。でも、まだ忘れてない。
そんな本音に気づかせてくれる、いつかのくさいセリフ「すべては愛からはじまるんだよ」
まだ忘れちゃいない。